ISO9001取得のステップ

ISO9001取得ステップ

企業がISO 9001を取得するには、いくつかのステップを踏んで、品質管理システム(QMS)を構築し、ISO認証機関による審査を受ける必要があります。

企業がISO 9001を取得する際には、以下のステップと日程感を考慮する必要があります。
認証プロセス全体には、通常6ケ月から1年程度がかかりますが、組織の規模や現在の品質管理システムの状況によって異なります。


  • 準備期間:3~6ケ月(現状評価~計画立案~QMSの構築)
      現状の評価と計画立案(1~2ケ月)
      品質管理システム(QMS)の構築・整備(2~4ケ月)
  • 運用期間:3~5ケ月(社内トレーニングとQMS運用開始~内部監査)
      従業員の社内教育とトレーニング(1~2ケ月)
      QMSの運用開始と記録の維持(2~3ケ月)
  • 審査期間:2~3ケ月(第一・第二段階の審査)
      内部監査の実施(1ケ月)
      マネジメントレビュー(1~2週間)
      認証機関による審査(1~2ケ月)

1. 現状の評価と計画立案(1~2ケ月)

目的:自社の品質管理システム(QMS)がISO 9001要求事項にどれだけ適合してるか確認する。
活動:・現状の品質管理体制を評価し、そのギャップを特定する(ギャップ分析)。
         ・ギャップを無くす為の計画を立案し、そのスケジュールを設定する。
         ・推進するプロジェクトチームを編成し、リーダーを任命する。
補足:全社的な協力体制を構築する為、トップマネジメントの積極的な関与も重要。

2. 品質管理システム(QMS)の構築・整備(2~4ケ月)

目的:ISO 9001の規格に沿った 自社独自の品質管理システム(QMS)を構築する。
        具体的には、文書化された手順やプロセスの作成、品質方針の策定、役割分担などを含む。
活動:・品質方針と品質目標の策定。
         ・必要な手順書、規程、記録などの文書を作成。
         ・プロセスの明確化と標準化。必要に応じて業務プロセスの変更や改善を行なう。
補足:文書化作業は時間が掛かるため、専任の担当者を置くと効率的。

3. 従業員の社内教育とトレーニング(1~2ケ月)

目的:QMSの内容やISO 9001の意図(目的と運用方法)を従業員に理解させ、役割に応じたトレ

         ーニングを実施する。 ISO 9001は従業員の識を高める教育が不可欠。
活動:・ISO 9001の基本概念やQMSの運用手順に関する研修を実施。
        ・部門ごとの役割や責任を周知。
補足:従業員の理解が不十分だと運用が形骸化する恐れがあるため、継続的な教育が重要。

4. QMSの運用開始と記録の維持(2~3ケ月)

目的:構築したQMSを実際に運用し、業務の改善に役立てていきます。
         また、規格に沿った手順で各プロセスが運用されているかどうか、必要な記録を保持する。
活動:・計画に基づいてQMSを運用。
        ・必要な記録を保持し、審査に備える。
        ・日常業務で発生する課題を把握し、是正措置を講じる。

5. 内部監査の実施(1ケ月)

目的:認証を受ける前に内部監査を行ない、自社のQMSがISO 9001の要求を満たしているか、
         改善点がないか確認する。内部監査を通じて改善が必要な点を洗い出し是正措置を講じる。
活動:・内部監査員を養成し、内部監査を実施。
        ・不適合や改善点を特定し、是正措置を実施。

6. マネジメントレビュー(1~2週間)

目的:経営層がQMSの有効性を確認し必要な改善を検討する「マネジメントレビュー」を行なう。
    これによりシステムが適切に運用され、目標達成に向けて改善が進んでいるかを確認する。
活動:・内部監査結果や運用記録を元にレビュー。
        ・必要な改善措置を指示。
補足:トップマネジメントが積極的に関与し、具体的な指示を出す事が重要。

7. 認証機関による審査(1~2ケ月)

目的:ISO認証機関に審査を依頼します。審査は通常、2段階で行われる。
活動:・第1段階審査(文書審査):QMSの文書や記録がISO 9001に沿っているかを確認。
        ・第2段階審査(現場審査):実際の業務がQMSに従って運用されているか現場確認する。
        ・審査の結果、是正や不適合指摘された場合は迅速に是正し、再審査を受ける。

8. ISO 9001認証の取得

審査に合格すると、ISO 9001の認証を取得できます。
取得後も品質管理システムの維持と改善を続ける必要があり、通常1年毎のフォローアップ審査や3年毎の更新審査が行なわれる。

9. 運用の継続と継続的な改善(継続的)

目的:ISO 9001は一度取得したら終わりではなく、継続的な改善が求められる。
定期的に内部監査やマネジメントレビューを実施し、QMSの維持と改善を継続させて行く。
活動
・1年毎のサーベイランス審査(フォローアップ審査)に対応。
・業務の変化に応じてQMSを改善。
・認証は3年毎に更新審査が必要。

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