【コンサル指針】理論ではなく 現場に根ざした改革を!
理論ベースでのコンサルでは改革は根付きません。 現場の課題・潜在課題を抽出し、組織全体としての改革に調和させていく—– そんな支援スタイルで推進して行きます。
数年越しの改革を振り返って/大手コンサルでの支援の限界
私の前職の大手医療機器メーカー(おそらく他社でも同様かと思います)では、これまで多くの改革(コンサル導入による改革)が、経営層の決断で以下のような形で進められてきました。
1. 大手コンサルによるBPR支援
実名は挙げませんが、数年毎に超有名どこのコンサル会社が入り、理論的なBPRの枠組みを提供されました。 しかし、多くは部門間での限定的なトライアルに留まり、現場への定着や実質的な改革には至りませんでした。
2. ITベンダーによる大型ツール導入
プロジェクト管理ツール、要件管理ツール、PLMなどの大規模のツール導入が実施されました。 ITベンダー側のコンサル部門も介在しましたが、課題抽出はアンケートや一部ヒアリングに限られ、部門間に潜む根本的課題までは見えていませんでした。
結果として、導入されたツール群も最終的には除却される事となりました。
私が感じた改革の本質
これらの経験を通じて、私は次の2点を強く感じました:
- 部門横断の課題抽出と解決がなければ、真の改革は起こせない
→ 表面的な改善だけではなく、組織を横断した本質的課題に向き合うことが不可欠 - 単発のトライアルでは不十分で、実ケーススタディの連鎖が必要
→ 継続的な流れの中で検証と改善を繰り返す “改革スパイラル” を生むことが重要
さらに、
- モチベーション維持には伴走者の存在が必要
- 業務手順(SOP)の見直しなしに改革は定着しない
(一程度の強制力がないと、自由参加のサークル活動になってしまう!)
ことも痛感しました。
構造改革の提案と社内実行の工夫
1. 経営直結での全社改革を自ら提案
私はこうした背景から、約10年前、経営直結での全社構造改革を自ら提案しました。
これは部門単位の「方針展開」とは異なる、全社横断での構造的アプローチであり、
通常とは異なるリソース配分と管理体制が必要でした。
2. 外部の力を適切に取り込みながら推進
- 自部署からの支援は限定的だったため、外部ファーム(アクセンチュア、ティメックス等)から複数のコンサル社員を起用
- 但し「課題分析や改革の戦略をコンサルに任せる」のではなく、自らが現場主導で進行役を担うことを徹底しました
「現場主導改革」の実践スタイル
1. 自ら担った3つの中核機能
- 潜在課題の発掘(現場目線・組織横断目線)
*組織を跨ぐと、組織間で対策の効果が相反してしまう場合もある! - 解決シナリオの設計(部門横断型) *同 上
- 改革トライアルの設計と展開(PLM的把握)
2. コンサルの活用は「支援役」として
外部コンサルには以下のような補助的役割を担ってもらいました:
- 課題整理と分析サポート
- OJT用資料の作成
- プレゼン支援や構成の強化
彼らの理解力とスピードは非常に優れており、優秀な実務パートナーとして強く印象に残っています。
改革で得た本質的な気づき
改革の本質は、理論やツールでなく、人と現場、そしてそれらの因果関係 の理解にある!
この経験は、私のコンサルスタイルの原点です。
現場に根ざした対話・観察・構造化の積み重ねこそが、
本当の意味で “根付く改革” を実現するのだと確信しています。