ISO規格と種類について

ISO規格と種類

製品・サービス・システムの品質安全性・効率性を高める為の国際的な規格を制定する組織で、本部はスイスジュネーブにあり、各国の標準化団体によって構成されており、日本では日本工業規格(JIS)が加盟しています。

ISO規格は、企業が顧客や取引先に信頼性や品質の保証を提供する手段として、また国際市場で競争力を高めるために多く採用されています。ISO規格に準拠する事で、企業は業務の効率化やリスクの軽減、ブランドの信頼性の向上を図る事ができます。

【代表的なISO規格】

ISO規格は様々な分野にわたる標準化を目的とし、代表的なISO規格は以下の通り:

  1. ISO 9001(品質管理システム):製品やサービスの品質を確保する為のフレームワーク
  2. ISO 14001(環境管理システム):環境保護を目的とした規格
  3. ISO 27001(情報セキュリティ管理システム):情報資産の保護に関する標準
  4. ISO 45001(労働安全衛生マネジメント):労働者の健康と安全を確保する為のフレームワーク
  5. ISO 13485(医療機器の品質管理システム):医療機器産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格

1.ISO 9001(品質管理システム)

ISO 9001は、品質管理システム(QMS)に関する国際規格であり、顧客の満足度を向上させ、製品やサービスの品質を確保する為のフレームワークを提供します。 この規格は業界を問わず全ての組織が導入可能であり、顧客の要求に応え、持続的に品質を改善する事を目指しています。

ISO 9001は次のような原則に基づいています:

  1. 顧客重視:顧客のニーズや期待に応え、満足度を高めることを最優先とします。
  2. リーダーシップ:経営層がリーダーシップを発揮し、組織全体で目標を共有して取り組む事が求められます。
  3. 人々の関与:全従業員が品質管理に積極的に関与する事で、効率的なシステム運用が可能になります。
  4. プロセスアプローチ:組織の活動をプロセス(手順や流れ)として捉え、連携を図りながら改善を行います。
  5. 改善:品質管理システムの継続的な改善を通じて、組織全体のパフォーマンスを向上させます。
  6. エビデンスに基づく意思決定:データや分析に基づき、客観的な判断を行ないます。
  7. 関係管理:顧客や取引先、サプライヤーなどの関係者との良好な関係を重視します。

ISO 9001に準拠する事で、企業は業務の効率化、リスクの軽減、顧客満足度の向上を図る事ができます。 また、ISO 9001認証を取得すると、対外的に信頼性や品質への取組みを証明する事ができ、国際取引や新規顧客の獲得にも役立つとされています。

単なる認証の取得に留まらず、組織全体の品質管理や効率向上に寄与し、顧客や市場に対する信頼性を高める重要なグローバルスタンダードであり、企業にとってのベストプラクティスとなり得ます。
つまりISO 9001認証を取得して展開する事は、単なる形式的な認証以上に、企業の内部改善(自律的な自浄作用)や競争力強化、顧客満足度向上など多方面でのメリットをもたらします。
特に「業務プロセスの標準化」や「継続的改善」を組織に定着できる点が、長期的な自律成長に大きく寄与します。
以下、他のISO規格はISO9001の理念を持ちながら他の特化した分野について規定しています:

2.ISO 14001(環境管理システム)

ISO 14001は、環境マネジメントシステム(EMS)に関する国際規格で、組織が環境への影響を管理し、持続可能な発展を促進する為のフレームワークを提供します。この規格は、環境保護や法令遵守に加え、組織が資源を効率的に活用し環境リスクを低減する事を目指しています。

企業がISO 14001を取得するには、環境マネジメントシステム(EMS)を構築し、ISO 14001の規格に沿って環境保護と持続可能な事業運営を目指す為の体制を整える必要があります。
以下の手順を通じて認証取得が可能です。

3.ISO 27001(情報セキュリティ管理システム)

ISO 27001は、情報セキュリティ管理システム(ISMS)に関する国際規格で、組織が情報資産を適切に保護する為のフレームワークを提供します。 情報漏えいやデータの不正アクセス、サイバー攻撃といったリスクに対し、組織がどの様に情報セキュリティを管理し、継続的に改善していくかを体系的に示した規格です。

企業がISO 27001を取得するには、情報セキュリティ管理システム(ISMS)を構築し、ISO 27001の規格に準拠する為の体制を整え、認証機関による審査を受ける必要があります。
以下が一般的な手順です。

4.ISO 45001(労働安全衛生マネジメント)

ISO 45001は、労働安全衛生(Occupational Health and Safety, OH&S)管理システムに関する国際規格で、従業員や職場環境の安全を確保し事故や健康障害のリスクを軽減する事を目的としています。2018年に発行されたISO 45001は、従来のOHSAS 18001に代わる標準となり、組織が労働安全衛生リスクを体系的に管理し職場での安全を促進するためのフレームワークを提供します。

企業がISO 45001を取得する為には、労働安全衛生管理システム(OH&S)を構築しISO 45001の要求事項に基づいて職場の安全と健康を守る体制を整える必要があります。
以下が認証取得に向けた一般的な手順です。

5.ISO 13485(医療機器の品質管理システム)

ISO 13485は、医療機器の品質管理システムに関する ハードルの高い国際規格です。
この規格は、医療機器の設計・製造・保守・販売などの各段階において、品質と安全性を確保する為のフレームワークを提供しています。
ISO 9001と似ていますが、ISO 13485は医療機器業界に特化しており、医療機器の特有のリスクや安全性に重点を置いており、より詳細で厳密な定義や管理が求められます。

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