企業としての管理規定(SOP)をまだ構築してない、或いは 紙で運用してる と言った企業では、ISOのフレームワーク(仕組み)を取り入れ、それに特化したITツールの上で構築・運用する事で一気に効率や効果が向上します。
ISOの取得や運用・文書管理に特化したITツールは、文書管理や監査準備だけでなく、リスク管理や継続的改善をサポートします。
これにより、企業はISO規格の要求事項を満たすだけでなく業務プロセスの効率化やコスト削減、顧客満足度の向上など、多くの付加価値を得る事ができます。
以下に、一般的なISO文書管理ツールの機能とそれによるメリットを整理して説明します。
ISO文書管理ツールの主な機能/「ISOナビ」の例
1. 文書の一元管理
- 文書を一元管理する事で、必要な情報を迅速に検索・取得できる。
- 全てのISO関連文書(品質マニュアル、手順書、記録など)を一つのプラットフォームで集中管理。
- 文書のバージョン管理や承認フローをサポート。
2. 規格準拠のサポート
- ISO規格の要件(例:文書化された情報の保持)をツール内で対応。
- 必要なテンプレートやチェックリストを提供。
3. 変更管理
- 文書の改訂や更新をトラッキングし、過去バージョンとの変更点を比較可能。
- 変更の承認プロセスをワークフローで管理できる。
4. アクセス権限とセキュリティ
- 関係者ごとにアクセス権限を設定し、不正なアクセスや改ざんを防止。
- ISO 27001準拠のセキュリティ機能を備えるツールも多い。
5. 内部監査とコンプライアンス対応
- 内部監査や外部審査に必要な情報を迅速に抽出・提示。
- 監査準備を効率化するダッシュボード機能。
6. タスク管理と通知機能
- 審査準備や更新スケジュールをタスクとして登録し、期限通知を自動送信。
- ISO規格の重要なタスク(例:内部監査、マネジメントレビュー)のリマインダー設定。
7. トレーサビリティの確保
- 要件やリスク、プロセスとの関連性を文書間でリンク付け。
- 記録の追跡性(トレーサビリティ)を確保して審査対応を簡略化。
ISO文書管理ツールのメリット
1. 業務の効率化
- 文書を一元管理する事で、必要な情報を迅速に検索・取得できる。
- バージョン管理や変更管理を自動化する事で、手作業による負担を削減。
2. コンプライアンス対応の向上
- ISO規格の要件に準拠した文書管理を容易に実現。
- 監査時に求められる文書や記録を即座に提示可能。
3. コスト削減
- 紙ベースの文書管理や手動作業をデジタル化する事で、人的ミスを減らし業務効率を改善。
- 不適合や監査指摘による是正措置コストの低減。
4. コミュニケーションと透明性の向上
- 関係者間で文書やタスクをリアルタイムで共有可能。
- 各プロセスや文書の進捗状況を可視化し、責任の所在を明確化。
5. リスク管理の強化
- 記録とトレーサビリティを自動で保持し、問題が発生した際の原因特定や是正措置を迅速化。
- リスクアセスメントやFMEA(故障モード影響解析)との連携をサポートするツールもある。
6. 継続的改善の促進
- 文書間のリンクやデータ分析機能を活用して、改善活動の成果を可視化。
- 監査結果や変更履歴を蓄積し、次回の審査や改善活動に活用。
7. 規模や業界に応じた柔軟性
- 中小企業向けのシンプルなツールから、大企業向けの包括的なQMS(品質管理システム)ツールまで、幅広い選択肢がある。
- 製造業、サービス業、医療機器など、特定業界に特化した機能を持つツールもある。
具体的なツール例(参考情報)
以下は、ISO文書管理や品質管理をサポートする一般的なツールです:
- ISOナビ:文書の一元管理、ペーパーレス化、リモート審査への対応。日本製で使い易い。
- QT9 QMS:QMS(品質管理システム)とCAPA用の文書管理システム。
- Intelex:環境管理(ISO 14001)や安全管理(ISO 45001)に対応する統合型QMS。
- Veeva QualityOne:製造業や規制産業向けのクラウド型の品質管理ツール。
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