企業内で開発プロセス改革をしようとする際、TOPダウンによる展開とボトムUPによる展開があると思います。 自分の経験からはTOPダウンだと多くの社員は今迄より負担が増える・やらされ感などからモチベーションが上がらず、結局長続きしない例を見てきました。
一方でボトムUPの場合は、改革に賛同する有志にとってはモチベーションが上がっても、そうでない人からは協力を得られにくいとか「TOPの指示ならやるけど、そうでないならやる義務はない」と言った消極的なコメントが来る場合もありました。
では、どうしたか?
その成功のポイントとして、自分の経験で言いますと、上記の良いとこ取り方法です。
それは以下の様になります。
- 各現場での課題を整理し、全体課題の底辺としてその全体像を示します。
- それらを統合的 あるいは相互的に解決する改革案のグランドデザインを描きます。
- そしてどの様に展開して行くか?のプロジェクトプランを描きます。
- 各現場に対して施策説明をして、モデルケースとしてのトライアル検証への協力を要請する。
(これはあくまでもモデル検証なので、その現場には極力工数を取らせない様に工夫する) - TOPマネジメントに対してそれら展開の趣旨と全体計画を説明して、施策に対する承認を取る。
- TOPマネジメント層、上記の現場層に対して、PDCA(Plan-Do-Check-Action)を回し、定期的に中間報告をしてポイント毎に確認を取っていく。
1. 改革の重要性と課題提起
開発プロセスを改革する際、企業は「TOPダウン」と「ボトムUP」という2つのアプローチの選択に直面します。どちらもそれぞれの利点がありますが、同時に大きな課題を伴います。
2. TOPダウンとボトムUPの比較
アプローチ | 利 点 | 課 題 |
TOPダウン | 組織全体の迅速な動員 | 現場での「やらされ感」、 長続きしない場合もある |
ボトムUP | 改革に賛同する現場有志の モチベーション向上 | 非賛同者の消極的な姿勢、 組織全体への展開の難しさ |
「どうすれば、両方の良い部分を生かしつつ、課題を克服できるのか?」が成功の鍵です!
3. 提案するアプローチ:TOPダウンとボトムUPの融合
自分自身の経験を元に以下のプロセスを提案します。
このアプローチは両方のアプローチの良い点を活用しつつ、それぞれの課題を克服します。
4. 具体的ステップ
- 課題の整理と全体像の提示
各現場の課題を抽出し、それらを統合して全体課題を明確化します。これにより、現場の声を反映した改革の基盤を築きます。 - グランドデザインの策定
組織全体の視点から、統合的かつ相互的に解決するための改革案を描きます。これにより、トップ層から現場まで一貫した目標を共有できます。 - プロジェクトプランの作成
改革の全体計画と段階的な実行プロセスを詳細に描きます。これには、スケジュール、リソース配分、担当者の役割が含まれます。 - モデルケースによるトライアル
各現場に対して改革のモデルケースを実施します。 この際、現場の負担を最小限に抑える工夫を行ない、協力を得やすくします。 - TOPマネジメントへの承認
改革の趣旨と計画をトップマネジメントに説明し、トライアル展開に対する承認を得ます。
このステップが成功への基盤となります。
- PDCAサイクルによる改善プロセスの実行
定期的な中間報告を通じて、TOP層や現場層と確認し合いながら、継続的な改善を進めます。
改革は「現場」と「TOP」の連携なしには成功しません。
このアプローチを基に、貴社でのプロセス改革を共に成功に導きましょう!
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